お茶会のご案内が届いたら・・・・・・

お茶会に持参するもの茶室の内部濃茶と薄茶受付から茶室に入るまで




お茶会とは主客あいまって、調和と秩序を保ち慎みて奢(おご)らぬ精神で自然や人を敬愛し静かで清らかな理想郷です
招く方の亭主と、招かれる客とが時を共有し共鳴し合いその席のあらゆること  
季節・場所・時間・光・所作・各種道具・会話・音・香り・味わい・・・・
器に触るなどを通して感性を養い五感を研ぎ澄まし第六感を養うものです
「良き亭主(主催する側)ぶり、良き客ぶり」といわれるように どちらも感性を要求されます
したがいまして人間性が豊かになればなる程、お茶の楽しみも豊かなものとなります

さて、お茶会の招待状など届きましたら、お出掛けの際には携帯するものがあります

  1. 替足袋(和服でお出掛けの場合)
  2. 懐紙(かいし)
  3. 楊枝(ようじ)
  4. 扇子(せんす)
  5. 袱紗(ふくさ)と袱紗挟み

茶会におきましては上記5アイテムが必要とされます






茶室内部をご紹介します(ここでは四畳半の茶室をもとにご案内します)
畳の敷き方や床の間の位置は"茶室"ではほぼ共通の造りになっています



次図は八畳の広間の例です
貴人畳(きにんだたみ)は、通常使用されませんが客数が多くなりますと正客(しょうきゃく)の席になります
正客とは茶席での一番上座に位置しいわば茶席の主賓です
正客は亭主とのやり取りがありますので、それなりの知識と見識が必要とされます
通常、初心者の場合は正客になりえません
また一番下座の末客は茶席における進行助役とも云える存在です
従いまして、初心者ですと正客・末客以外の席をとることになります



濃茶と薄茶

「極」という濃茶と「詰め」といわれる薄茶があります
濃茶は薄茶の4倍の濃さになり、点前も異なります
普通「お茶を差し上げます」というご案内の言葉は、濃茶を差し上げるという意味になります
但し、大寄せの茶会ではほぼ薄茶です

濃茶は甘味の強いてん茶から作られた抹茶を使用するのが一般的のようです
濃茶は一つの茶碗に同席した人数分量を点てて、それを回し飲みします
茶質はペースト状に近く、どろっとした感じになります



薄茶は若い木から採れたてん茶を使うといわれていますが、若木のてん茶は味わいがきつめになるからとも言われています
濃茶用原木は樹齢が30年以上で主に70年以上の古木が対象で、その若葉の芽先が用いられます
あるいは、覆下で栽培されるときに、遮光度合いにより濃茶と薄茶に分けるようです



抹茶は挽茶(ひきちゃ)ともいわれます。その製造法は、葦簾(よしず)を用いて日光を遮った覆下(おおいした)と云う茶園で摘まれた新芽を蒸して、
揉まずに乾燥させるのが特徴です
その後に葉柄・葉脈を取り除き,更に乾燥させます。それを細断したものがてん茶といわれます
そのてん茶を碾臼(ひきうす)で粉状にしたものが抹茶となります


以上のことを"茶室の常識"として頭に入れて出掛けましょう
服装につきましては格別に決まりのようなものは定められていません
しかし"茶の湯"の世界に踏込むわけですから、
カジュアルすぎる服装、例えばジーパン・Tシャツなどは避けるべきだと思います
また、にじり口をくぐるということはお茶をいただくに不必要なものは身から外すという意をくみ
華美な装飾品・アクセサリー類は避けるべきでしょう
特に貴金属類は大切な茶道具を傷つけたら大変ですのでやはり外したほうが良いと思います
それでは、いよいよお出掛けしましょう




当日会場に着きましたら、受付所が設けられていますからご挨拶・受付を済ませます



客は到着すると身支度を整え寄付き或いは腰掛にて全員がそろうのを待ちます
(ここで身につけていた装身具(時計・指輪など)を外します)
あれこれ本日の招きに対する期待をし想像する楽しみとお客様どうしの歓談の場となります
やがて亭主からの招きにより入室します



露路を進みます
俗界の塵を捨て去り全て露にする精神状態にするための過程などと申しますが
路地を進むにつれて、いよいよその場に臨む心構えがなされます



蹲(つくばい)により手と口を清めますが、
ここで精神的にも清めて、これから茶室に臨むという切り替えの場でもあります



心を落ち着かせて、いよいよ席入りです
汝狭き門より入りて天国に入らん。地上の別天地に心してにじり入る。
その昔、武士は、刀をここで外し何人も平等に地上の別世界に入る心がまえをした・・・・と申します



以上が茶会へのお招きを頂いてから茶室へ入室するまでの事がらです
茶会は大きな流れに乗って粛々と進行します
部分的には茶道各流派により多少の作法・所作に違いなどありますが
茶の湯の精神は同じものです
"茶の湯のこころ"に基づいて臨機応変に対応すれば良いのです
茶会の席では心行くまでその場の雰囲気をご堪能下さい




ならひつゝ見てこそ習へ習はずによしあしいふは愚かなりけり
千利休


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